福島第一原発事故は今年で4年目の時期に突入(死に急ぐ鯨たち)

 福島第一原発事故の現場写真。
1号機ないし3号機付近のがれきや爆発で吹き飛んだ施設の一部など、事故当時のままである。高い放射線量で人が近づくことができない。地下に潜り込んだ溶融燃料は全く所在不明であるばかりか、取り出し方法などは何も見えてこない。
 凍土壁の計画も遅々として進捗せず、こう書いているうちにも、福島第一原発から太平洋へ大変な量の汚染水が継続的に流れ出している。くりんたも西日本の日本海側産か瀬戸内産と明記していない魚介類を怖くて買えなくなった。1食品100ベクレル/kgとの基準値で三陸沖などの魚介類が流通している。
 そのうえ、現地では子供の甲状腺ガンが増加している。
 福島第一原発事故発生から後数ヶ月で満4年の期間が経過しようとしているのに、このざまである。
 しかし、この国の国民の福島第一原発事故に対する危機感は、去年の12月の衆議院選挙で示されたように、恐ろしく鈍感である。いや、住宅ローンや長年勤め上げた仕事の存在から、国民(特に東日本地域に居住している国民)は、現実から、無意識ではあるが、組織的に現実逃避しようとしている。
 それ以外の地域の国民は、福島第一原発事故を人ごとと感じているかもしれない。
 ここまで来ると、かつてのソ連邦の政治体制やソ連邦の国民の意識を、この国の国民は非難できないであろう。現実逃避の結果、徐々に自滅していくであろう。
 安部公房の「死に急ぐ鯨たち」という表題の著作を思い出した。