「恐ろしゅうて、やがて哀しき センバツかな。詠み人知らず」(高校野球とブラック企業)

あるブログは、選手とブラック企業の社員との類似性にふれている。しかし、本当に、それだけであろうか。
特に私立学校で、交通費も支給されないで土日に強制応援にかり出される全生徒達。
生徒達の中には、野球部以外のブカツに参加している者もいるが、全生徒には試合を応援してもらえない(もちろん、ブカツに参加しているからといって、その試合の応援を期待するのもおかしいが)。
灼熱の太陽の下、応援するブラスバンド部の部員。
さらには、何とブラック野球高校の所在する小さな自治体の職員までが、応援にかり出されるという。

この点で、昔、裁判になったように記憶している。
高校野球は、「ブラック企業」や「食べて応援」と類似性を持つ、日本社会の醜い縮図と言わざるえない。
夏の試合など、みんな、本当に死んじゃうよ。

あるブログはこう言っています。
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毎年のように熱中症による事故を起こし、練習や試合中に選手や応援の生徒が救急搬送されている。にもかかわらず、これがなぜ社会問題化しないのか、大きな疑問だ。
文科省が指導に入らないのが不思議なくらいだ。
この熱中症問題だけを見ても、夏の甲子園大会はやめるべきだと思う。甲子園大会は、春だけで十分ではないだろうか。全国大会を年に二度もやる必要が本当にあるのか。

理屈に合わないのはファンも同様だ。甲子園を愛している、高校野球を愛しているというなら、高校球児を死の危険にさらす夏の大会をやめさせるのが、本当のファンではないのか。

というわけで、とにかく日本の高校野球の文化はおかしい。人権の観点から見ても間違っていると僕は思う。たしかに、人権というものはなかなか難しい面もある。しかし、ハッキリしているのは、人権に関する国際的な条約があり、それを批准している場合、その条約が基準となるということだ。

具体的に言うと、日本は国連の「子どもの権利条約」を批准している。この場合の「子ども」とは、18歳未満の人間をさすが、政府が批准している以上、この条約で掲げた精神や条文に反することは、明確な人権侵害となる。この条約がめざすものは、子どもの健全な育成である。そして、夏の甲子園大会はこれまで述べたように、子どもの健全な育成にはなっているとは言いがたい。

夏の高校野球を巡る虐待や人権侵害については色々と議論があるようだが、「子どもの権利条約」の精神に反しているというだけで、十分に人権侵害ではないだろうか。高校生の健全な育成のためにも、マスメディアは夏の甲子園大会の是非について、広く議論を展開してほしい。

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むべなるかな。