小早川光郎先生

昔、いや今でもか、小早川光郎先生という行政法の大家がいた。
私は、公定力なるものに非常な疑問を抱いていた。
しかし、小早川先生は、それは、「抗告訴訟の排他的管轄」の問題に過ぎない。起訴責任が被処分者又は法的に保護(少し誤魔化しました。原告適格の問題で改正法でも大きく改正された点です。)された利益を害された者に負担させていることを表現したに過ぎない。」とあっさり上記疑問を氷解させてくれた。
たしか、税金の滞納処分による差押え事案と賃貸借終了に基づく建物明渡しの民事執行の事案を対比して、わかりやすく説明していただいた記憶がある。
とはいえ、現在でも、立法政策として、抗告訴訟の排他的管轄や不服審査前置主義を広く定めると、国民の裁判を受ける権利に影響があるのは当然で、これらを仕組みに取り込む立法には何らかの制限を設けるべきものと思う。